【東京】首里高校の甲子園初出場を描いた演劇「海を越えた挑戦者たち」が21日から豊島区の南大塚ホールで再演される。
米軍統治下にあった沖縄で、苦難の中から高校野球を“復興”させ、甲子園出場を果たしたが、球児が持ち帰った甲子園の土は検疫に引っ掛かったため、海に捨てられた。
悔しさをばねに全国一を目指す指導者たちの姿を丹念に描いた。
自身も高校球児だった脚本の畠山貴憲さんは、1958年の首里高校の初出場にまつわる話を聞き、「抑圧された中でもがきながらも精いっぱい生きる人たちの姿を描きたい」と題材に取り上げた。
同劇は2004年に初演され、今回は俳優の小沢昭一さんが所属した俳優小劇場を前身とする老舗の劇団俳小によって演じられる。
稽古では、遺骨が埋まるグラウンドを整備しながら生徒に甲子園への夢をつなぐ高校教師たちの姿を若手俳優が熱演した。
演出の勝山了介さんは「オスプレイ配備など復帰後の今も沖縄が抱える問題を浮き彫りにするような芝居にしたい」と話した。問い合わせは俳小(電話)03(3987)1787。