パイン加工、歩留まり改善 名護パイン園


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 パイナップルの加工・販売を手掛ける名護パイン園(名護市、安里清社長)は、パイン加工での歩留まりを従来の5割から2割程度へと改善に成功した。缶詰製品の製造過程で出る廃棄物の皮を飼料などに有効利用して達成した。さらに今後はサプリメント(健康補助食品)やパスタ、ドレッシング、チーズやバターなども開発している。

 缶詰だけでなくほかの商品活用へ付加価値を付けることで、最終的には農家からの買い取り額を2~6割増引き上げたい考え。それによりパイン農家の減少に歯止めをかける狙いもある。製造過程で生まれる産業廃棄物を出さないで商品化を研究するゼロエミッション活動の成果。昨年8月から取り組みを始め、次々と成果を出している。
 従来、缶詰用にくりぬいた後の皮部分は廃棄していたが、乾燥して粉末化した結果、飼料として有効活用できることが分かった。当初は乾燥に経費が掛かり、通常飼料の10倍のコストとなった。天日干しや温室利用など工夫を重ねてコストダウンを図った。
 規格から外れた果肉も煮詰めることで糖度を上げ、果肉カステラの水あめの代替品としても活用する。バターやチーズなどの展開も視野に、1次から3次まで包括する6次産業化も推進する考えだ。
 次期社長の上原武専務は「沖縄の基幹産業だったパインをもう一度伸ばしていきたい。夕張メロンやマンゴーに負けないように売れるパインにもなるように、販売の面から手伝っていきたい」と将来展望を語った。(滝本匠)