「性同一性、相談受けた」 県内養護教諭3割


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甲田 宗良さん

 GID(性同一性障害)学会第16回研究大会in沖縄(同学会主催)が21日、那覇市の県市町村自治会館で2日間の日程で始まり、県内外から200人余が参加した。

講演やシンポジウム、研究報告があった。琉球大学大学院医学研究科で臨床心理士の甲田宗良さんは、性別に違和感を持つ児童生徒への対応状況に関する県内調査で、回答した養護教諭ら225人の3割強が、学校で児童生徒から相談を受けたことがあると報告した。
 甲田さんは、相談内容の最多は「性別への違和感」で約86%に上るとし、教育現場で性同一性障害への理解を深める必要性を強調した。児童生徒が学校で困っていることは「制服」「水泳の授業」「トイレ」などと続いた。適切な支援には「学校関係者の多くが携わり、知識を持って対応できる当事者意識を持つことが重要だ」と述べた。
 大会は「南の島から世界へ」をテーマに、医療や法制度、教育現場の現状や課題、職場における支援の在り方などについて報告や討議があった。
 22日午後3時から、市民公開講座「GIDってなぁに?~性同一性障害に関するセミナー」が同会館であり、歌手の中村中(あたる)さんらがゲスト出演する。