発光ダイオード(LED)可視光通信の受光器やLED通信専用変復調基盤の独自開発に、ベンチャーのVLC(那覇市、新城浩一郎社長)が取り組んでいる。受光器の小型化や集光効率の向上などLED通信の高度化を図る技術で、21日までに一部製品化を実現した。
今後さらに実用化を進め、電波の次の通信として注目されるLED技術の確立を目指す。沖縄発の新技術として注目を集めそうだ。
2016年度に売上高を10億5800万円にする計画。将来的に受光器の生産など、部品や製品加工の工場を県内に立地するための環境整備にも取り組む。
受光器は効率的に集光する構造で、県外の親会社が国際的な特許も取得している。
10年に設立したVLCが性能の向上や小型化に取り組み、情報を光に乗せるための変復調システムなどの技術開発を進めてきた。形は立方体で、高さなどを約2~3ミリまで小さくすることや、集光効率の最大化に成功した。国内では先端的な基幹技術という。
既に博物館などで、受光器を組み込んだ同社の製品が使われている。
室内に整備を想定した無線LANに代わるインターネット接続機器の開発も進めているほか、水中可視光通信機器への活用なども計画。防衛関連、電力関係、大手企業などに売り込む。欧米からの引き合いもあるという。
新城社長は「世界で唯一、実用段階のLED通信技術を保持している。LED通信市場は急速に拡大しており、現状の優位性を維持するため、さまざまな事業化を急ぎ、沖縄をLED産業の中核拠点にしたい」と意気込みを語った。(謝花史哲)
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