姉に手作りベビーベッド 名護商工・平和樹君


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平和樹君(中央)から手製のベビーベッドを贈られて喜ぶ姉の翁長優華さん(左)と蓮ちゃん。教え子の奮闘を喜ぶ喜瀬達也教諭(右)=13日、名護市内

 【名護】今月、名護商工高校電建システム科建築技術コースを卒業した平和樹君(18)=名護市大中=が13日、子どもが生まれた姉の翁長優華さん(27)=市大東=のためにベビーベッドを手作りし、プレゼントした。

真新しいベビーベッドで横になって喜ぶ4カ月の息子、蓮ちゃんを見詰める優華さんは「弟からプレゼントをもらうのは初めて。それが手作りでとってもうれしい」と喜んだ。
 平君がベビーベッド作りに取り組んだのは昨年4月。課題で木工品を作ることになり、同級生らが机やいすなどを手掛ける中、平君は「妊娠中の姉ちゃんのために何か作りたい」と決意した。優華さんからリクエストのあったベビーベッド作りを始めた。
 既製のベビーベッドを参考にデザインを考案。普通授業の傍ら、学校の資機材を利用しスギやヒバ材を切り出し、背板、側板、床板などのパーツを作って、ことしに入ってベッドの形になった。2月の作品展で「姉にささぐベビーベッド」と題名を付けて展示し、話題となった。制作に協力した喜瀬達也教諭も「きれいにできている」と太鼓判を押す。
 優華さんは昨年11月に出産した。夫の清人さん(30)と一緒に手作りのベビーベッドの完成を待ち望んでいた。13日に贈られた完成品を見た優華さんは「予想以上。本当にうれしい。ありがとう」と目を細める。
 「不器用なんで」と語る平君だが、4月からは沖縄職業能力開発大学校住居環境科に進む。建築の専門知識を深め「将来はスペインのサグラダ・ファミリアみたいな独創的な建物を造りたい」と夢を膨らませた。