「無人走行車」配備へ 久米島町など来月から実験


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自動車の自動走行システム「久米モビ」で使用する車両とデンソーの担当者ら=久米島町の奥武島

 【久米島】久米島町は4月から、デンソーとNEC、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、電気自動車の自動走行システム「久米モビ」の実証実験を奥武島で実施する。

国産の準天頂衛星「みちびき」などから発信される位置情報を基に、将来的に無人走行車を高齢者や観光客などに活用してもらう考え。奥武島内に管制センターを設置し、担当者が数カ月に1回の頻度で走行テストを実施する。
 実験は、利用者がスマートフォン(多機能携帯電話)などのIT端末を用いて車両を呼び出すと、管制センターの指示を受けた車両が自動で利用者の元に向かい、目的地まで届ける技術の確立を目指す。
 車両や道路には、通信機器が設置される。人工衛星や通信機器の情報を基に、管制センターから、車両の経路計画や通行管制などが指示される。ただ、現在の法律では無人走行は認められていないため、当面は車両に人が乗り込んで実験する。
 16日に奥武島を発着点に開催された「第3回シュガーライド久米島」の会場では、実験用の車両がお披露目された。デンソーの担当者は「高齢者のニーズに合わせて利用できるよう、安心安全なシステムを構築していきたい」と話した。
 平良朝幸町長は「無人自動車が久米島全体で走ってほしい。離島の先駆的モデルになりたい」と意気込みを見せた。実験では、2018年までに島内に計30台車両を配備する計画だ。