泡盛出荷量、9年連続減 若者や女性向け課題


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泡盛の出荷数量の推移

 県酒造組合(那覇市)が26日発表した2013年の泡盛出荷量(アルコール度数30度換算)は、前年比2・2%減の2万673キロリットルで、ピークだった04年から9年連続で減少した。下げ幅は前年より1・7ポイント拡大、県外出荷量は2年ぶりに減少に転じた。

 ビールや日本酒をはじめとする国内酒類市場が全体的に厳しく「若者のアルコール離れ」が指摘されている。県酒造組合の又吉良秀専務理事は会見で「来年も厳しい状態が続くと思う」と話した。泡盛業界は、新たな需要発掘に向けた新しい泡盛の飲み方を提案するなど取り組みを強化しており、同組合も今後一層の拡大が必要だとしている。
 岡田美佐子副会長は「年々出荷量が減少する一方で12年は歯止めがかかったかに見えた。残念ながら減少を抑えることができなかった」と話した。県外出荷が減少に転じ、下げ幅が拡大した要因としては、若者のアルコール離れ、飲酒運転根絶に関わる社会的要請、厳しい経済環境などを挙げた。
 今後の展開としては、黒麹泡盛や古酒などの試飲体験などの企画や、泡盛マイスター協会と連携して若者や女性向けのカクテル、炭酸割りなどの新しい飲み方を提案する方針を示した。
 観光客が増加する一方で泡盛の魅力をPRしきれていない点を踏まえ、ホテル協会や沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)と連携し、観光客に泡盛をPRする取り組みを進めていくとした。
 13年の出荷量のうち、県内向けは2・0%減の1万7555キロリットル、県外向けは3・5%減の3118キロリットルだった。総出荷数量は、ピークだった04年の2万7688キロリットルの約4分の3まで減少した。