18歳まで医療費無料 来月から金武町


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【金武】金武町は2014年度から「こども医療費助成制度」の対象を拡大し、高校卒業まで入院と通院の医療費を助成し、自己負担分を無料にする施策を始める。また、障がい児を育てる課税世帯が1割負担していた車いすなどの購入費も助成し、自己負担分を無料とするほか、不妊治療費の助成も拡大させるなど子育てに関する施策を拡充させる。

儀武剛町長は「家庭の事情にかかわらず、地域全ての子を平等に支援していく」と述べた。
 こども医療費助成制度で、入院・通院の両方を高校卒業まで対象とするのは県内では金武町が初めて。高校に進学していなくても18歳になった年度末までの子どもも対象とする。
 施策拡充の背景には、年々増加する出生数に対応する狙いがある。厚生労働省が公表した08~12年の市区町村別合計特殊出生率で金武町は、女性1人が生涯に生む子の推定人数が2・17と全国7位だ。各施策の拡充で、子どもの健康維持や病気の早期発見につなげる考え。新年度予算では、こども医療費の対象者2500人分、約4240万円を確保した。
 一方、障がいのある子を育てる課税世帯がこれまで1割を負担していた車いすや日用品、補装具などの購入費や福祉施設への短期入所の料金も、助成拡充で自己負担額をゼロにする。町によると、県内初という。
 また不妊治療費では、従来は体外受精などの特定不妊治療までが助成対象だったが、4月からは保険適用外の一般不妊治療も含めて、最大36万円を助成する。
 3人の子を育てる保育士の仲間綾子さん(49)は高校生までの入通院費無料について「春に息子が高校に進学するので、きょう届いた医療費無料の通知を見て喜んでいた。子育ては何かと物入りなので、気持ちも楽になる」と声を弾ませた。