茶どころ大宜味 復活へ 仕上げ機導入、6次産業化


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仕上げ機の導入でさらにおいしいお茶を追求する山城勝則さん(左)と妻の米子さん=28日、大宜味村謝名城の山城茶園

 【大宜味】大宜味村の茶農家山城勝則さん(59)は、本年度から新たに導入された火入れ仕上げ機などを利用し、お茶の6次産業化に取り組んでいる。かつては、製茶工場が村内各所にあった大宜味村。山城さんは「大宜味産のお茶を多くの人に飲んでほしい」と“お茶どころ大宜味”復活に意気込みを見せる。

 山城さんの茶畑では9年前から、苦みの少ない茶葉「さえみどり」を無農薬で育てている。肥料もお茶の若葉から作った酵素など自然のものにこだわる。ことしの一番茶の収穫は約310キログラムで台風被害のあった昨年の2倍以上。山城さんは「色がよく出て出来もいい」と太鼓判を押す。
 職人技とも言える製茶の工程も味の決め手となる。ことし山城さんの工場には、県の6次産業化支援事業の一環として、茶葉を火で乾燥させる仕上げ工程に使う「火入れ・仕上げ機」が導入された。別の工場に依頼していた仕上げ作業を自らの手でできるようになり、オリジナルのお茶を作れるようになった。
 山城さんは「まだまだ味を引き出せるはず。多くの人が安心して飲めるおいしいお茶を作りたい」と笑顔で話した。
 山城さんのお茶は、村内の共同店や道の駅おおぎみ、名護市のJAファーマーズマーケットやんばるなどで購入できる。問い合わせは、山城茶園(電話)0980(44)3967。