宿泊特化型ホテル 稼働率最高71%超へ


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県内主要宿泊特化型ホテルの稼働状況の推移

 沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は31日、県内の主要宿泊特化型ホテルの動向分析を発表した。客室稼働率は2013年度の通年予測で、過去最高だった05年度の70・9%を上回る見通し。

客室単価は前年度実績は上回るが、過去最高の07年度の9割弱にとどまる見込みだ。11、12年度の経常損益で見た収支分析では、黒字、赤字ホテルとも総収入は同水準だが、地代・家賃は赤字ホテルが黒字ホテルの約2倍となった。客室単価低下の中、施設費がかさむ構図が浮かび上がった。
 沖縄公庫は、あらためて客室単価向上の課題を指摘し「対象となる顧客を決め、要望に沿うよう客室の改装や備品の見直し、朝食内容や宿泊プランの見直しなどイノベーション(刷新)による収益力の向上が肝要」と提言した。
 13年度(13年4月~14年1月)の客室稼働率は71・6%、客室単価は6019円。12年度はそれぞれ68・2%、5817円だった。格安航空会社(LCC)の就航や外国人観光客の増加が影響した。過去10年で見ると、稼働率は05年度の70・9%、客室単価は07年度の6846円が最高だった。
 宿泊特化型ホテルのうち、那覇市内のおもろまちと県庁周辺、国際通り周辺の主要3地区の13ホテルについても分析した。12年度は3地区とも全体の平均稼働率を上回った。おもろまちはビジネス客がメーンで稼働率は高いが単価は低い。県庁周辺はビジネス客も観光客も集客し、国際通り周辺は外国客も対象として稼働率が低くても単価が高い傾向にあった。
 地代・家賃については11ホテルを分析した。総収入から売上原価や人件費など営業費用を引いたホテル運営利益のうち、家賃が占める比率は7割程度だと継続的に支払い可能な水準とされる。11ホテル中5軒が7割未満だった。多くのホテルは長期賃貸契約での固定賃料制で、家賃負担が大きく影響を及ぼしている。
 調査は、過去10年間の稼働率や客室単価などを分析。13年度は県内30ホテルが対象。そのうち17ホテルについて11、12年度の収支状況を分析した。分析結果は公庫ホームページで公開している。