県内未提訴者相談を ハンセン病訴訟、請求期限あと2年


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 ハンセン病で療養所に入所せずに治療を受けて回復した非入所者(在宅治療者)が、裁判を経て和解により国に賠償を請求できる期限があと2年に迫っている。県内の非入所者は500人以上と全国的にも多いが、これまでに和解したのは合計99人だけで、大部分が提訴していない。弁護士らは「まずは相談してほしい」と呼び掛けている。

 非入所者は和解によって、発症時期に応じて最大700万円の一時金などの支給が受けられる。長く偏見や差別を助長してきた「らい予防法」が廃止された1996年から20年間が期限とされており、2016年までに提訴すれば円滑に支給を受けることができる。
 沖縄では琉球政府時代に在宅治療が始まり、復帰後も特例措置として認められていたため、他府県に比べて非入所者が多い。ハンセン病の啓発活動をしている県ゆうな協会によると、死亡推定者を除き500人以上が県内に在住しているとみられる。しかし那覇地裁と県外の裁判所を合計しても和解が成立したのは99人しかいない。
 県内で訴訟を手掛ける上原智子弁護士は「非入所者には横のつながりがなく情報を伝える手段が限られている。制度そのものを知らないのかもしれない」と話す。上原弁護士は「秘密は守られるので、まずは相談してほしい」と話した。
 問い合わせは幸喜・稲山総合法律事務所(沖縄市)(電話)098(938)4381、沖縄合同法律事務所(那覇市)(電話)098(917)1088。