うるま市でハラール加工 工場整備、生鮮品輸出も


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 体験型農場やレストランなどを経営する農業生産法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」(三重県、木村修社長)などは、イスラム教の戒律に従って調理・加工された「ハラール」食品の加工工場と生鮮食品の輸出拠点を県内に整備する。

国際物流拠点産業集積地域うるま地区(旧特別自由貿易地域)に土地を取得し、8月ごろに工場建設に着手、2015年1~2月からの本格稼働を目指す。
 モクモク手づくりファームによると、総菜や食品を製造・販売する知久(静岡県)、食品包装を手掛けるスズカコーポレーション(三重県)も主要出資者となり、新会社「食のかけはしカンパニー」を5月上旬に設立する。互いのノウハウを生かし事業を展開する。県内の農業生産法人あいあいファーム(伊志嶺勲社長)も出資し、県産野菜の調達などを担う。
 新会社は全国から農産物や魚介類を仕入れ、ハラールに対応した和食の総菜や土産用の菓子などに加工。県内をはじめ国内のホテル・旅館や小売店に出荷するほか、東南アジアの小売店や日本食レストランなどにも出荷していく予定だ。
 果物を中心とする生鮮食品の輸出には、那覇空港を中継拠点(ハブ)とする全日本空輸(ANA)の物流ネットワークを活用していく。
 うるま地区の取得用地は約3千平方メートル、工場の面積は約1千平方メートル。本格稼働後は年間4億円程度の売り上げを目指す。当初は現地雇用を含め15人程度の体制で始める予定だが、将来的には40~50人に増やしていく考えだ。
 新会社社長に就任予定のモクモク手づくりファーム地域ネットワーク室の篠原辰明部長は「ハラール食品は観光客を呼び込むきっかけにもなる。沖縄の観光振興にも役立つことができればうれしい」と話している。