県産業公社、中国福州に駐在所開設 来月、物産展示場も


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 県産業振興公社(知念栄治理事長)は、中国福建省福州市に福州駐在所を5月半ばをめどに開設することが3日までに分かった。県が2011年3月に廃止した福州事務所が事実上、再開される。

福建・沖縄友好会館内に福州駐在所を整備し、沖縄の観光物産展示場を新たに設ける。また、福建省などとの取り決めで同館では商業活動ができないため、会館近くに販売活動ができる拠点を設ける計画だ。
 さらに、台湾から福建省への輸出実績が好調なことから、台湾の主要企業66社でつくる「中華民国三三企業交流会」(三三会、江丙坤理事長)との協力関係の構築を模索。県産品の販路開拓に向け、同会館を台湾企業との連携を図る拠点として機能させる構想だ。
 福州駐在所長は県上海事務所長の金城達雄氏(県職員)が兼務。常勤職員は2人で、県福州事務所職員を務めた張小雲氏が副所長、公社の福州委託駐在員の王百為氏が一般職員として勤務する。
 一方、福建・沖縄友好会館の永久使用権を持つ県は、友好会館の管理運営業務に関する県内企業との契約を3月末で終了。駐在所設置に向け、今月1日から公社が管理運営している。
 県関係の海外事務所は、台北、香港、北京、上海、ソウルに続き6カ所目。福建・沖縄友好会館の有効活用を図りながら、中国進出を目指す県内企業を支援していく。
 同公社海外・ビジネス支援課の安慶名貢課長は「台湾や香港では沖縄の認知度も増し、県内企業が健闘している。中国本土へその勢いを広げるため友好会館の活用を模索してきた。展示場設置や台湾経済界との連携など新しい取り組みを行っていく」と意欲を見せる。
 現在、友好会館の入居企業数は5社ほどで、約20社ほどの入居スペースが空室となっている。安慶名課長は「これまで課題とされていた会館入居率を改善する環境づくりに努める」としている。(佐々木健)