消費税8%初の週末 負担増実感じわり 駆け込み“反動減”も


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消費増税後、初めての週末を迎えた。大型店舗のキャンペーンに並んだ長い列=5日、南風原町のイオン南風原店

 消費増税後、初めての週末を迎えた5日。県内各地の買い物の現場では、消費者が食料品や生活必需品などの値上がり分が暮らしに響いている実感を口々に語った。古くから経営する小売店は、なじみ客のために値段を据え置き、苦戦する。

増税前の駆け込みの反動を受けて大型店舗では客足減退も。買い手、売り手とも「これ以上、上がったら」と、10%の再増税への不安を語っていた。
 古くからの小規模小売店が軒を連ねる那覇市の牧志公設市場や市場中央通り。約60年前から漬物などを扱う池宮城商店を営業する池宮城ユキさん(83)は、値段を上げていない。「負担は大きく、これ以上税が上がると現状の値段維持は厳しい」とつぶやく。
 生肉などを販売している和ミートの真栄里靖さん(49)は「価格表示は8%だが、金額の端数を切ったりしてお客さんに還元している。福祉などを考えると増税はしかたがない」と語る。
 石垣市で帰りの船を待っていた、西表島に住む農業の川満準一さん(58)は「島の物価はただでさえ高いのに」と困った表情を浮かべる。運賃も増税分が上乗せされたが、「できれば離島割りをもっと拡充してほしい」と求めた。
 うるま市にあるメイクマン具志川店の金城良彦店長によると、前年同時期と比較して来客数は明らかに減少し、確実に“反動減”を実感しているという。買い物に訪れた沖縄市の30代女性は「やはり生活必需品、消耗品で影響を一番感じる。子どもがいるので今後の出費を考えると不安だ」と吐露した。うるま市の50代男性も「食料品だと財布へのダメージを大きく感じる。特に100円、千円の商品を買うたびに8%を実感する」と語った。
 名護市にあるJAファーマーズマーケットやんばるは、農家から委託を受けて販売する農作物は値段を据え置いた。新里俊彦店長は「肥料代などは上がっているはずだが、農家の頑張りで価格を抑えることができている。ただ、今後は価格に転嫁されることがあるかもしれない」と懸念する。
 イオン琉球はセールで集客をにらむ。広報担当の喜納優子さんによると「全体として売り上げが少し落ちた感触がある」という。レジでは1円玉を増やして対応するが、もともと常連客は電子マネーで支払いする人が多く、「大きな影響はない」と語った。