破砕、焼却で新設備 琉球セメント屋部工場


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琉球セメント屋部工場で新たに整備された産業廃棄物処理の中間タンク=8日、名護市安和

 【名護】琉球セメント(浦添市、西村聰社長)は名護市の屋部工場に約8億円を投資し、破砕や焼却を行う施設を新たに整備した。従来、県から許可された産業廃棄物の処分は木くずだけだったが、14種目まで拡大された。今後のセメント生産では、廃プラスチックや汚泥など従来の1・5倍以上の廃棄物を活用できるようになる。

 屋部工場長の中村秀樹常務は今回の取り組みについて環境面での効果を強調。「天然原料を抑えることは、温室効果ガスを抑制することにつながる。循環型社会を目指し、より地域貢献できる」としている。
 琉球セメントはこれまで、1トンのセメント生産で約230キロの廃棄物・副産物を活用してきたが、300キロ以上に増やす構想だ。1割超のコスト削減にもつながるという。
 県の許可は3月30日付、有効期間5年の更新制となっている。同社は、産廃の搬入を近く開始し本格稼働させる予定。8日発表した。
 屋部工場は、個別指定制度に基づく火力発電所からの石炭灰活用や名護市の焼却灰搬入など、これまでも原燃料として廃棄物等を活用。使用量は2012年度11万6千トン、13年度12万8千トンと増加しており、14年度は20万トン近くまで拡大させる計画だ。
 津脇誠常務は「工場での産廃処理量が増えることで、県内各地の最終処分場の延命にもなるだろう」としている。
 セメント業界では、他の産業で発生した廃棄物や副産物を原燃料の一部として積極的に活用。セメント1トン当たりの生産で、廃棄物使用は全国平均で約470キロとなっている。