かさで多彩な思い 山城家元が55周年公演


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「かせかけ」を踊る山城洋子家元=3月30日、浦添市の国立劇場おきなわ

 玉城流七扇会の山城洋子二代目家元の芸歴55周年記念公演「踊(うどぅい)・舞(もーら)」が3月30日、浦添市の国立劇場おきなわで開かれた。山城は第1部で思いのこもった古典女踊などを見せた。

第2部はかさ(笠、傘)を使った踊りをテーマに、師範・教師らが雑踊や宇根伸三郎初代家元、山城の作品を展開した。男女の愛や哀愁など、かさを通し多彩な思いを表した。
 山城は1958年、舞踊や芝居で活躍した宇根に入門。2006年に二代目家元を襲名した。公演では「かせかけ(かしかき)」「諸屯」で異なる女心を表現。「かせかけ」は愛する人への純粋な思いを紡ぐように舞った。「この年齢でどれだけ男踊が踊れるのか」と「鳩間節」にも挑んだ。
 第2部は、山城の高弟・大城ハツ子会主の「花風」が出色だった。陣笠を使う「若衆笠踊り」「若衆揚口説」(ともに宇根振り付け)、平笠を使う打組踊「契り」(山城振り付け)なども披露された。
 七扇会の8会主は「かぎやで(かじゃでぃ)風」で花を添えた。宇根が創設した乾流太鼓段の会も出演した。地謡は西江喜春、名嘉ヨシ子、宮城英夫、花城英樹、玉城和樹、横目大哉ら。