しまくとぅば「学ぶ機会ない」8割 大学生意識調査


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しまくとぅば大学生意識調査(クリックで拡大)

 県内の大学生の7割がしまくとぅばに関心を持ちながらも、8割が「学ぶ機会がない」と捉えている―。沖縄国際大学の学生などが実施したしまくとぅばに関する学生意識調査で、しまくとぅばの活用意欲と実際の使用に差があり、「話したくても話せない」状況にあることが、明らかになった。

調査は沖国大とアドスタッフ博報堂がことし1月に実施。琉球大学、沖国大、名桜大学、沖縄大学、沖縄女子短期大学に通う学生559件から回答を得た。
 2013年に県が実施したしまくとぅばに関する県民意識調査は幅広い世代が対象だった。大学生を対象に絞った調査は今回が初めて。
 しまくとぅばの使用程度について聞いたところ、「単語のみ」が36・9%、「全く話せない、聞き取れない」27・5%、「あいさつ程度」20・4%と続いた。
 今後、しまくとぅばをどの程度使用したいかという問いには、「あいさつ程度」が最多の31・9%、「日常会話」が24・1%と、使用に意欲的な回答が過半数を占めた。「使おうと思わない」は16・9%だった。
 しまくとぅばを学ぶ機会については、82・2%が「ない」と回答した。
 しまくとぅばを後世に伝える意欲については、66・5%が「伝えていきたい」と回答し、普及のための対策として54・8%が「学校の総合学習での実施」を挙げた。
 今回の調査結果について、宮良信詳・琉球大名誉教授は、しまくとぅばに関心がある人が7割、今後の使用への意欲も5割が前向きな意向を示している点を評価した。その上で宮良名誉教授は「国語や日本史は学ぶのに、沖縄のアイデンティティーに直結するしまくとぅばは、学校教育の中で見落とされてきた。総合学習程度ではなく本格的に取り入れることが必要だ」と語った。