狂言、歌舞に熱気 美能留会、先代作品を継承


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「親あんまー」を演じる(右から)宮城茂雄、宮城愛佳、宇座仁一、平田光市郎=5日、浦添市の国立劇場おきなわ

 宮城流美能留会は5日、浦添市の国立劇場おきなわで、故宮城美能留師の創作・構成作品を上演した。美能留会後援会の発足記念を兼ねた公演。琉球狂言「親あんまー」(美能留構成)は、早苗、園美両家元が演じてきた親あんまー役に園美の娘・愛佳が挑んだ。

第2部は、美能留が率いた沖縄歌舞団のメドレーをベテランと若手が披露。熱気あふれる作品を継承した。
 第1部は躍動的な群舞「赤馬節」(美能留作)で幕開け。早苗は憂いを帯びたまなざしが艶(つや)やかな「諸屯」を舞った。園美と息の合った「加那ヨー天川」も見せた。
 「親あんまー」は、八重山の在番(宮城茂雄)が首里に帰ることになり、現地妻の親あんまーや子(平田光市郎)と別れを惜しむ。座り方や面掛けなど組踊と共通する表現もあるが、せりふ回しは独特だ。愛佳と茂雄は華があるが、役に対して少し若すぎるとも感じた。経験を重ね、親子の別れの演技が深みを増すことを期待したい。
 第2部は「唐手」「パーランクー」など、沖縄の生命力を感じさせる踊りを切れ目なく展開した。かつて沖縄歌舞団に参加した平良進、仲嶺眞永も「国頭サバクイ」(美能留作)などを踊った。仲嶺は愛嬌(あいきょう)ある演技で、役者の味を発揮した。もっと地謡の音が大きい方がいいとの指摘もあった。
 その他の踊り手は渡久地美代子、金城保子、松田恵、中村知子ら。地謡は中村一雄、新城治、仲宗根盛次、新城雄一ら。