座って海中散策 「ウォーターバード」が人気


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
座ったまま海中散策ができるいちまりんの「ウォーターバード」(同社提供)

 ベンチに座ったまま海中散策が楽しめる特殊船「ウォーターバード」の人気が広がっている。空気ボンベなどの重い機材なしで、幅広い年齢層が海中の世界を楽しめる。増加する海外観光客にも人気だという。開発したいちまりん(糸満市、屋良朝仁社長)は、マリンレジャー(海遊び)のイメージが薄い本島南部のさらなる観光振興につなげたい考え。2014年度の利用客数は前年度の約2倍の千人を目標に掲げる。

 「ウォーター-」は、船の左右に設置したベンチを自動で水深1・5~2メートルまで下ろすことができる。ボンベは船本体に積む。ボンベとつながった空気マスクは顔全体を覆うため、呼吸が楽にでき、海中で会話もできるという。12年度から本格運用を開始した。
 県産業振興公社の13年度中小企業課題解決・地域連携プロジェクト推進事業でPR強化を進めてきた。以前は糸満市のサザンビーチホテル&リゾートだけで宣伝していたが、日本語と中国語に対応した専用ホームページを立ち上げた。
 屋良社長は「事業によりメディアにも取り上げられ認知度は上がっている。安心して利用でき、台湾や香港などの外国人や、ダイビングが怖い人にも好評だ」と笑顔。13年の冬場はほとんど利用がなかったが、14年1~3月は約150人が利用した。「既に8月まで予約が入っている」という。
 南部観光の発展に向けても「南部は空港や沖縄自動車道の出口も近く、立地は良い。戦跡や御嶽などの観光地が多い中、海のレジャーがあまり知られていないのでもっとPRしていきたい」と意気込みを見せた。
 「ウォーター-」は糸満市の「美々ビーチいとまん」と豊見城市の「美らSUNビーチ」で利用できる。6~11歳は税抜き6800円、12歳以上は同7800円。問い合わせは(電話)098(994)1419。(長嶺真輝)