紙粘土細工が縁で交流 ゴルフの崎山プロ、名護3施設に寄付金


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 【名護】福祉施設の子どもたちが制作した紙粘土細工が縁で、プロゴルファーと施設の温かい交流が実現した。愛媛県出身の崎山武志プロ(51)と、福祉型障がい児入所施設「名護わかば園」(名護市、稲嶺のり子施設長)、児童発達支援の2施設を運営するNPO法人ジャンプ(同市、石垣育子理事長)がそれ。ゴルフ大会のティーマーカー用に制作された子どもらのしっくいシーサーに崎山プロが感銘を受け、16日に名護わかば園を訪れて3施設に寄付金を贈呈した。

 手作り紙粘土細工は昨年4月、喜瀬CC(名護市)で開催されたシニアトーナメントで、主催者の金秀が3施設に「シーサー」をテーマに依頼した。出展された中から同CCでコンテストを行い、36点を選んで大会時に18ホールのティーマーカーとして使った。
 崎山プロは同大会にシニアツアー初参戦した。一つ一つ違う表情の個性豊かなしっくいシーサーが目に留まり、制作に4カ月ほど費やしたことなど経緯を聞いたことから、寄付を決めた。
 崎山プロ自身も児童養護施設で育った。「施設運営は大変で、入所者だけでなく、家族や支援者ら周囲の苦労も大きい」と話し、ツアー初優勝時には、福祉事業への恩返しを目標にプレーし続けてきたという。「金秀シニア」がプロトーナメント初優勝となった崎山プロ。「しっくいシーサーを制作した子どもらの役に立ちたい」との思いで、18日開幕のことしの大会を前に施設を訪れ、優勝賞金の一部を贈呈し、子どもたちを激励した。
 名護わかば園を運営する名護学院の崎濱秀政理事長(59)は「作品は子どもたちの励みにもなっている。社会に貢献できる人材を育てていきたい」と話した。ジャンプの芥川香副理事長(43)は「これからも子どもらの持っている力を演出していきたい」と感謝した。
 ことしの大会でもティーマーカー用の紙粘土細工が依頼され、「やんばるの生き物」をテーマに制作したという。

名護市内の3施設へ寄付金を贈り交流する、ゴルフの崎山武志プロ(左から3人目)=16日、名護市宇茂佐の名護わかば園
昨年の大会でティーマーカーとして活用された手作り紙粘土細工