【大宜味】2011年9月に自転車事故で脳挫傷の重傷を負い、障がいが残る大宜味村田港の前田和輝君(15)が20日、塩屋湾一周トリムマラソン大会3キロコースに出場、伴走した父の英二さん(35)と一緒にゴールした。
12年は車いすで、13年は右足に装具をはめて3キロコースに出場したが、今回は自らの足で走り抜き、完走証を手にした。
12年は英二さんや同級生に手助けしてもらいながら、昨年は祖父の幸伸さん(59)と45分で駆け抜けた。
多くの村民が運営に関わり、出場している大会での和輝君の活躍は多くの人が記憶している。ゴールの塩屋小学校では「頑張れ」「もう少し」と沿道から声が掛かった。今回申告タイムは38分だが、記録は37分43秒。予想よりも早くゴールした。運営に関わる男性は「和輝がいつも歩いているのを見ている。努力のたまものだ」と喜んだ。
介護職員として働く英二さんは「これからも目標を持って挑戦してほしい」と語った。筆談で精いっぱい取材に対応する和輝君。現在、名護市にある特別支援学校高等部に通い、少しずつ回復の道を歩んでいる。「学校を頑張りたい」と目標を記した。