八重瀬町、顕在待機児童ゼロに 定員拡充で県内初


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 八重瀬町の認可保育所の顕在待機児童数が今年4月1日までにゼロになったことが23日、分かった。認可保育所2カ所と、賃貸物件による分園施設1カ所を新設し、定員を計205人拡充した。

その結果、昨年4月1日現在で181人いた顕在待機児童の解消を実現した。待機児童解消計画を策定する県内24市町村で、顕在待機児童ゼロの達成は初めて。
 顕在待機児童とは、市町村に認可保育所の入園を申請しても、満員のため入所できず、空きを待っている児童のこと。
 町では2008年ごろから区画整理事業による集合住宅などの建設で入居者が相次ぎ、10年からことし4月までの4年間で人口が計1793人増加した。それに伴い、待機児童数も増え、保育所が足りない状態が続いていた。
 町は昨年、県の安心子ども基金事業による補助金を活用し、認可保育所2カ所と分園1カ所を新設した。また町内保育所と連携し、定員の弾力化を図るなど、より多くの児童が入園できる環境整備に取り組んだ。
 一方、市町村に申請せず、自宅保育や無認可保育所に通う町内の潜在待機児童は現在約200人いると見込まれており、町全体の待機児童解消に向け、今後も分園の整備などに取り組む。
 町児童家庭課の石原朝子課長は「町と県、認可保育所が一体になって取り組んだ結果、待機児童解消が実現できた。今後も継続して対策を考えていく」と話した。