琉球新報社 琉球銀行（金城棟啓頭取）は、１次産業の農林漁業者と製造業などの２次産業、販売事業者などの３次産業が連携した６次産業化を支援する地域ファンドを６～７月に立ち上げる。
県内地銀による農業支援ファンドの設立は初めて。官民ファンドの「農林漁業成長産業化支援機構（農林漁業機構）」と運営会社の山田ビジネスコンサルティング（東京）と共同で、総額５億円を出資する。
琉銀は３月に同行として初めての農家専用ローン「りゅうぎんアグリローン」を発売しており、ファンドの設立で農家支援をさらに強化する狙いだ。
設立するファンドは「りゅうぎん６次産業化ファンド投資事業有限責任組合」。山田ビジネス―が４月中に農林漁業機構に設立を申請した。出資配分は農林漁業機構が２億５千万円、琉銀が２億４５００万円、山田ビジネス―が５００万円。
琉銀は設立後に県内で説明会を開く方針だ。農林漁業者と２次、３次産業事業者のマッチングを図り、新会社の設立を支援する。出資の可否は農林漁業機構が審査する。
農林漁業機構は、国が２０１２年に施行した「農林漁業成長産業化支援機構法」により１３年１月に設立された。その後、全国各地で地銀や民間企業が共同出資したファンドの設立が相次いでいる。出資は１１年に施行された「６次産業化法」の認定事業者に対し実施する。
琉銀は６次産業化の支援を目的に、三重県で農業体験型観光施設を運営する農業生産法人のグループ企業「モクモク流農村産業研究所」と業務提携を結んでいる。事業者向けの農業ビジネス活性化セミナーなども進めてきた。
