県立高校入試の平均点 11年で44点減


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 県立高校入試の合格者の平均点が2002年度から13年度までの11年間で44・5点下がっていることが29日、明らかになった。沖縄大学で同日開かれた「今沖縄の子どもたちに豊かな学力を」(県教職員組合那覇支部主催)と題したシンポジウムで報告された。

県教育庁は学力向上対策に力を入れてきたが、来場者からは現在の学力向上対策を疑問視する声が相次いだ。
 シンポでは、00年度から13年度までの県立高校入試の平均点(300点満点中)が示された。合格者平均点は、02年度に186・5点まで上昇したが、13年度は142点と最低を記録、11年間で44・5点減少した。受験者平均点も同様の傾向を示し、02年度の179・2点を最高にその後低下し、13年度は135・8点と最低を記録。11年間で43・4点低下した。
 受験者に占める成績上位者(得点率80%以上)の割合も02年度の16・8%をピークに下がり続け、13年度は1・2%になった。一方、成績下位者(得点率17%未満)は06年度から上昇傾向が続き、13年度は5・1%に増えている。
 この結果について、基調講演をした村山士郎・大東文化大学教授は「単純に教育庁の政策が悪いとか、教育委員会が悪いとか教条主義的に捉えるのではなく、地道に原因を考えることが大切だ」と話した。
 シンポには村山氏のほか、県内の小中学校の教師がパネリストとして登壇。学力テストの結果を重視する政策が勉強嫌いの子どもをつくる結果になっていないかと、問題提起した。

県立高校入試の平均点の推移
成績上位者・下位者の全受験者に占める割合の推移