うるま市上空で米軍ヘリから部品落下 通報は6日後


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プラスチック製部品を落下させた嘉手納基地所属のHH60ヘリと同型のヘリ=2013年8月、宜野座村のキャンプ・ハンセン

 米空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターに取り付けられた重さ36グラムのプラスチック製の通風孔のカバーが、4月24日の夜間飛行中に落下していたことが1日、明らかになった。

同基地によると、操縦士が通風孔を調整している際に破損し、落下したという。日米両政府は1997年に米軍機からの落下物の事故は基地内外を問わず、県や関係自治体に迅速に通報することに合意しているが、同基地が沖縄防衛局に通報したのは事故から6日後の4月30日だった。
 HH60ヘリは2013年8月に宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落、兵士1人が死亡する事故を起こしたほか、同年11月にはカメラを落下させる事故を起こしている。相次ぐトラブルに県は1日までに「重大な事故につながりかねない」として沖縄防衛局と嘉手納基地に再発防止と原因の徹底究明を申し入れた。
 嘉手納基地によると、ヘリは4月24日夜、海抜約240メートルの高さでうるま市の具志川上空を夜間飛行していた際、通風孔(直径10センチ)のプラスチック製カバーを窓から落下させた。飛行前の整備で通風孔は点検されたが、操縦士が上空で調整していた際に落下したという。けが人や民間地への被害は報告されていないという。
 同基地は30日に沖縄防衛局に通報し、防衛局が同日、県やうるま市に通知した。
 嘉手納基地は琉球新報の取材に対して「同機はそのまま問題なく任務を継続した。詳細を把握するのに時間がかかってしまった」と通報の遅れを認めた。