石垣、土砂崩れや浸水 名護、うるまでも被害大雨


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地盤沈下して傾く車と現場確認に来た消防署員=5日午後9時46分、うるま市喜屋武

 5日に梅雨入りした沖縄地方は、各地で大雨による被害が相次いで発生した。50年に1度の大雨となった石垣島地方では、市内で床上浸水や数カ所の道路が冠水したほか、林道が土砂崩で通行止めとなった。石垣島天文台近くの前勢(まえせ)岳林道では土砂崩れが2カ所で発生。樹木ごと崩れた土砂が幅4メートルの道路をふさぎ、林道は通り抜けできない状態となった。

天文台に通じる道路も土砂が半分を覆った。この影響で天文台は5、6日の休館を決めた。
 石垣市大川で床上浸水の被害に遭った村仲書店の村仲用三さん(83)は「あっという間に店内は膝の高さくらいまで水であふれた。汚れた水が入ってきたので洗い流すのが大変だ」と肩を落とした。
 うるま市喜屋武では、民家敷地内の土地が幅約2メートル、長さ約30メートルにわたって地盤沈下した。市消防と警察などが警戒に当たった。
 民家に住む女性は「最初は10センチだったのが、どんどん沈んでいった。梅雨で雨が続くので心配だ」と不安げに話した。
 洪水警報が出た名護市では、大西区内の旧県立名護商業高校跡地に隣接する複数の住宅で、浸水や泥水流入の被害が出た。午前10時すぎから、高台にある高校跡地の擁壁の地面に開いた穴から雨水が低地へ流れ出し、数メートル下の住宅が浸水した。嶋袋誠さん(41)は「朝起きるとすごい雨音がした。水がどんどんたまってきて怖かった」と話す。
 大雨の影響で空の便も遅延が相次いだ。スカイマークは午前9時15分羽田発那覇着の便が、悪天候のため目的地を鹿児島空港へ変更したが、再運航し午後に那覇に到着した。他の航空会社も天候と機材繰りの影響で、遅延が出た。
 船舶は高波で座間味-那覇、渡嘉敷-那覇間の高速船、各往復2便が欠航となった。

◆イベント中止相次ぐ
 5日、大雨の影響で那覇ハーリーなど県内各地でイベントの中止が相次いだ。那覇ハーリーは最終日で、本バーリーの予定だった。うるま市の天願川清流まつりや本部町のもとぶカツオのぼりまつりも、悪天候のため開催されなかった。