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【浦添】浦添市伊祖の浦添総合病院を運営する社会医療法人の仁愛会(宮城敏夫理事長)が、2016年3月末で閉鎖される国家公務員宿舎前田住宅跡地への同病院の新築移転を構想している。
老朽化した病棟の現地建て替えが困難なことや、災害拠点病院取得の条件を満たすため、4万平方メートル超を有する同跡地への移転を要望。公務員宿舎は国有財産のため土地が取得できるかは不確定だが、仁愛会は随意契約による国有地の払い下げについて浦添市に協力を申し入れている。
浦添市は前田公務員住宅の跡地利用策について防災拠点や福祉の観点から総合的に検討していくとの立場にとどめている。
22日夜、前田自治会館で地域住民へ移転構想の説明会が行われた。宮城理事長は「浦添総合病院は、今は311床に拡大し、手狭になっている。災害拠点病院を目指しているが、耐震基準以前の病棟を現地建て替えできない問題がある」と市前田への移転の必要性を語った。
総合病院と健診センターを前田に新築し、現在地は在宅医療・介護拠点として継続する意向が説明された。現在は港川に着陸させているドクターヘリについては、災害拠点病院にはヘリ発着ができることが条件のため、新病院にヘリポートを設置する構想だという。
前田宿舎跡地の売却手続きで国は今後、一般競争入札に先立ち、地方公共団体などの取得要望を優先的に受け付ける。仁愛会は、総合病院新設を前提に浦添市が用地取得の意思を表明する随意契約の枠組みを提案し、沖縄総合事務局や浦添市に意向を伝えたほか、市議会にも陳情している。
仁愛会管理本部の佐竹暁本部長は「民間の一団体と見られるかもしれないが、市民病院としての役割や社会医療法人の公益性、災害拠点病院取得の意思など、随意契約の妥当性はあると考える」と強調した。