躍動の舞 魅了 南條バレエ研究所沖縄市で発表会


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躍動感があり、出演者全員の息の合った演技が観客を魅了する、南條喜久子バレエ研究所第44回発表会=8日、沖縄市民会館大ホール

 南條喜久子バレエ研究所(南條喜久子主宰)の第44回発表会が8日、沖縄市民会館大ホールで開かれた。ストラヴィンスキー作曲「火の鳥」や「白鳥の湖」からの抜粋など、多彩な演目で会場を沸かせた。

 魔王カスチェイ(渡久地舞子)の森をさまよっていたイワン王子(齊藤拓)は、火の鳥(渡久地真理子)を見つけて捕らえる。火の鳥は魔よけになる自分の羽と交換に放してくれるよう頼み、飛び去る。
 やがて、王子はツァレヴィナ姫(渡久地円香)に出会うが、魔王にとらわれの身であることを打ち明けられる。姫たちを自由の身にするため、王子は魔王との戦いに挑む。
 物語の序盤、赤いスポットライトに照らされ火の鳥を演じた舞子が舞台いっぱいを使ってダイナミックに踊り、観客を一気に引き込む。谷桃子バレエ団プリンシバルの齊藤の跳躍力と柔らかな動き、真理子、円香との共演でも息の合った演技で観客から拍手が送られた。
 姫を演じた円香もはかない心情を表情としなやかな舞で表現する。魔王役の舞子も齊藤に負けず、躍動感あふれる踊りで観客を圧倒する。終盤、魔王と小悪魔が火の鳥に踊り狂わされる場面では、約10人が息の合った演技を披露し、観客から大きな拍手が起こった。
 第一部の「エグゼルシス1」「パキータ」など小品集では、子どもたちのかわいらしい演技が観客の目を引いた。