離島がん患者、宿泊割引 ホテル組合支援、来月から


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宿泊支援の意義について説明する県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長(右)と川上好久県副知事=25日、県庁

 本島で放射線治療を受ける離島・へき地のがん患者が、本島にある宿泊施設で宿泊費の割引が受けられる制度が、7月1日から始まる。県と県ホテル旅館生活衛生同業組合(宮里一郎理事長)が25日、発表した。

 割引支援施設は、ホテル旅館組合に加盟している40施設。施設により異なるが、20~40%程度の割引が受けられる。割引分は施設側が負担する。
 県内では県立中部病院や琉球大学医学部付属病院などの7カ所の医療機関が放射線治療を実施している。同医療機関が、希望する対象患者に登録票を交付する。患者が宿泊施設の予約時に登録票に記載された番号を報告し、チェックインの際に登録票を提示することで割引が受けられる。
 患者は主治医が治療計画で示した期間中、割引を受けることができ、必要があれば延長される。同行が必要な患者に限り、付添人も割引対象となる。
 川上好久副知事は「自治体や県で渡航費軽減などは実施しているが、離島のがん患者にとって宿泊費用の負担は大きい。今回の仕組みは患者にとって朗報だと思う」と述べた。同組合の宮里理事長は「病気はいつの時代もなくならない。医療と観光は切っても切り離せないと思い、制度をスタートさせる」と話した。
 離島のがん患者支援を考える「ゆうかぎの会」の真栄里隆代代表は「放射線治療をしている患者にとってはありがたい。ただ収入的にも厳しい離島の現状があるので、さらに支援を拡充してほしい」と話した。制度についての問い合わせは県保健医療政策課(電話)098(866)2169。