伊良部に小中一貫校 2017年4月に開校予定


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 【宮古島】宮古島市教育委員会は26日の定例会で、伊良部島の4小中学校を統合した施設一体型の小中一貫校を2017年4月に開校する方針を決めた。

7月6日にも伊良部地域で説明会を開いた上で、同8日に統合協議会を設置し、新設校の場所や施設など議論を進める予定だ。県教育庁によると、県内で施設一体型の小中一貫教育を実施しているのは公立学校では名護市の緑風学園の1カ所。
 伊良部島の佐良浜・伊良部両小、中学校統合による小中一貫校の設置は、地域のPTA役員とそのOBらでつくる「伊良部島の新しい学校をつくる会」(長濱国博会長)などが求めていた。市教委が13年に決めた「学校規模適正化基本方針」では、伊良部島の佐良浜中と伊良部中を19年度に統合するとしていたが、小学校は統合時期を示していなかった。
 市教委は26日の定例会で基本方針を見直し、17年度に4小中学校を1校に統合した小中一貫校を開校することや、幼稚園での預かり保育実施を盛り込んだ。
 統合決定について「つくる会」の長濱会長は「伊良部地域の人口減少が続く中、外から人を呼び寄せる学校にしたい」と期待を寄せた。市教委の宮國博教育長は「つくる会などの要請を重く受け止めた。地域住民の思いを大切にしながら作業を進めたい」と語った。
 市教委によると小中一貫校は9年間統合した教育課程の実施による学力向上や「中1ギャップ」と呼ばれる中学進学時の児童の心理的不安が解消できると期待されている。