ウニ2年連続禁漁 北部4漁協、東海岸に拡大


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シラヒゲウニの禁漁区域

 ウニの激減を受け27日、今帰仁・羽地・本部・名護漁協は、昨年に続き禁漁措置を取ると発表した。ことしは新たに名護漁協が加わり、東海岸でも全面禁漁となった。

同日県庁で会見した今帰仁漁協の平良栄康組合長は「県民に広く周知してもらい、資源回復に努めたい」と話した。
 禁漁の対象はシラヒゲウニ。1973年の県全域の生産量は1875トンだったが、12年は27トンに激減している。北部地域の漁獲量は県全体の1割を占める。
 激減した原因は餌となる海藻の減少や乱獲による。激減によって希少価値が高まり、通常の100グラム当たり千円に対し、昨年は2・5倍の2500円で取引された。高単価で取引されるため、漁協を介さず販売する「浜売り」も発生している。
 各漁協は資源回復策としてウニ種苗の放流を実施している。約1万~1万5千個の種苗を県栽培漁業センター(本部町)から購入して放流している。しかし、種苗の回収率は約1・8%にとどまり、禁漁前の漁獲量回復には程遠い。
 今帰仁漁協は3月、浜辺にウニ禁漁を伝える看板設置や冊子を作成し周辺地域へ配布、漁師の見回りなど県民への周知徹底を図っている。違反者には、最大20万円の罰金が課せられることもある。ことし既に2組の違反者が見つかっている。