国、人的ミス指摘 古宇利ヘリ墜落「安全配慮欠く」


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 名護市の古宇利大橋付近でアイラス航空所属の遊覧ヘリコプターが墜落し3人が重傷になった2013年12月31日の事故で、事故原因を調査していた国土交通省運輸安全委員会は27日、事故報告書をまとめた。報告書では「機長が順守すべき法令や規則を守ろうとせず安全への配慮を著しく欠いていた」と指摘し、人的ミスが主な原因と結論付けた。

 委員会によると、機体を操縦していた機長が通常より速いペースで海面近くまで降下し、高度の目測を誤ったため上昇するタイミングが遅くなり、機体の一部を海面に接触させた。
 報告書では、搭載しておく必要があった救命ボートも搭載されておらず、目撃者などによる的確かつ迅速な救助活動がなければ、人命を失う可能性のある危険な状態だったと指摘した。
 当初予定になかった屋我地島までの飛行を機長の判断で実施することになり、事故に至った。事故当日の機長の体調には問題はなく、機体自体にも異常はなかった。
 アイラス航空は事故調査報告書を受け「この内容を真摯(しんし)に受け止め、大阪航空局の指導で安全対策を実施し事故の風化を防いでいく」とコメントした。古宇利島の遊覧飛行は事故以来実施していない。