那覇空港国際線ビル バリアフリーで改善


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 那覇空港ビルディングは16日までに、那覇空港の国際線旅客ターミナルビル内に、案内板の点字表示や優先席シートを設けるなどバリアフリー設備に関わる4点を改善した。

全国各地で公共施設のバリアフリー設備を点検している、車いす利用者の大久保健一さん(37)=兵庫県西宮市=の要請を受けた対応。同ビルディングは、低い位置でボタンを押すことができて、車いすでも利用できる自動販売機を2台設置したほか、喫煙所に低めの灰皿も置いた。
 16日、大久保さんと面談した那覇空港ビルディング施設課の国頭貞雄係長らが改善点を説明した。大久保さんは「前向きに対応していることが分かり、良かった」と一定評価した。その上で、手狭な車いす用カウンターの改修や、トイレの空間が狭くて利用しづらいオストメイト洗浄機をより広い多目的トイレへ移すなどさらなる改善を求めた。これに対して、国頭係長は「物理的に対応できるのかどうか、設計会社との調整を踏まえて考えたい」と答えた。
 国際線ターミナルビルと国内線ターミナルビルを結ぶ通路に屋根がなく、路面も平らでないため歩きにくいという大久保さんの指摘に、国頭係長は「4~5年後に二つのビルを連結する新たな建物を造る計画があるので、その設計の中で(改善を)検討したい」と答えた。
 大久保さんはことし2月、運用開始したばかりの国際線ターミナルビル内を回り、バリアフリーの整備状況を確認した。3月に同ビルディングに対して、14項目について改善を求める要望書を提出していた。

点字表示が施された案内板を確認する大久保健一さん=16日、那覇空港の国際線旅客ターミナルビル
車いすの高さからでも利用できる自動販売機に見入る大久保健一さん