日中は協力と対話を シンポジウムで劉教授指摘


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沖縄―日本―中国の関係を考えるシンポジウムで発言する(右から)我部政明さん、新崎盛暉さん、猿田佐世さん、劉成さん、左端は池尾靖志さんら=29日、那覇市の沖縄大学

 日米外交の政策提言を行うシンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND、東京)、沖縄大学地域研究所などは29日、シンポジウム「沖縄―日本―中国との関係について考える」を那覇市の沖縄大学で開催した。

基調講演した南京大学の劉成教授(平和学)は中国と歴史的に関係が深く、尖閣諸島を抱える沖縄に対し「両国とアジアの平和に貢献する懸け橋となってほしい。未来の戦争の出発地としないで」と強調した。
 劉教授は国際社会の現代において他国・他地域を敵視する外交政策は時代遅れとし、日中が協力と対話を進めていく重要性を指摘した。尖閣諸島の領有権については「中国固有の領土」という、中国政府の従来の見解を紹介した。
 南京で生まれ育ったという劉教授は今回が初来県。地上戦で住民が犠牲になった沖縄と、日中戦争中の南京大虐殺の歴史が重なるとした上で、「多くの命を奪う戦争を絶対に避けないといけない」と訴えた。
 経済成長が著しい中国の状況に言及し「今後も成長するため、平和な環境を求めている」とした。
 稲嶺進名護市長が辺野古沖への新基地建設反対を米国で訴えるため、その訪問先との交渉役を務めた猿田佐世弁護士(ND事務局長)が訪米活動の成果を報告した。
 新崎盛暉沖大名誉教授、我部政明琉大教授、池尾靖志立命館大非常勤講師も登壇した。
英文へ→Symposium about relationship between Okinawa, China and Japan held at Okinawa University