「永遠の愛」住民に誓う リゾ婚、来間島挙げ祝福


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 【来間島=宮古島】島の文化と自然を生かした結婚式を-。東京都に住む南英一さん(30)、美恵さん(同)夫妻が6月28日、宮古島市の来間島で結婚式を挙げた。神願いや集落内でのパレード、披露宴まで、多くの住民が協力し実現した、新しいリゾートウエディングの形。住民が見守る温かな雰囲気の中、2人の顔には笑みがあふれ、永遠の愛を誓った。

 2年前に来間島へ旅行で来た南夫妻。偶然行われていた島の運動会に島民に誘われて参加し、家族のように楽しんだ。「美しい島の風景、温かな人々が東京に戻ってからも頭から離れなかった。結婚するならこの島でしたかった」と話す。
 結婚式は市内のブライダル業者・アトリエウエディングプロデュース宮古島と、島の活性化に取り組むNPO来間島大学(法人申請中)が2人の申し出に応え実現した。県観光振興課によると、地域住民を巻き込んだリゾートウエディングは珍しいという。
 結婚式は来間島南西部にある、ムスヌン浜で挙行。神に仕える女性らが島の神々に報告と清めを行った上で関係者が浜に入場。2人はエメラルドグリーンに輝く海と白く輝く砂浜で「子どもができたら来間島に連れてくる」などと宣言した。
 新郎・英一さんは「思い出の場所で結婚式が挙げられて本当に良かった。これも地域住民の協力のおかげ」と笑顔。誓いのキスを受けた美恵さんは「想像以上の結婚式。温かいだけでなく、神聖な雰囲気もあってよかった」と語った。
 2人は集落内をパレードし、住民に紅白餅を配って回った。
 また離島センターでは披露宴が行われ、来間みそのラフテーやグルクンの唐揚げなど、島の女性たちが丹精込めて作った料理を味わいながら門出を祝った。
 来間自治会の来間得良会長は「自然の中でできて本人たちも、島の人たちも喜んでいた。幸せをもらう島として来間の結婚式を全国にPRしたい」と期待を込めた。

島民から祝福を受ける南英一・美恵さんら=6月28日、宮古島市下地の来間島
新郎・新婦を祝福する出席者ら