全検体からダイオキシン 防衛局、市が結果公表 沖縄市ドラム缶


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検出された有害物質の最高値

 【沖縄】1月、米軍基地返還跡地の沖縄市サッカー場からドラム缶が発見された問題で、沖縄防衛局と沖縄市は7日、汚染物質の調査結果をそれぞれ公表した。局、市が調査した全ての付着物や底面土壌の検体からダイオキシン類が検出された。市調査で、ドラム缶周辺のたまり水(ろ過水)から、環境基準値に比べて64倍のダイオキシン類が検出された。局調査は55倍だった。缶付着物は土壌基準と比べて、局は2・9倍、市は1・9倍を検出した。

 防衛局と市は、計61本のドラム缶から同様の検体を採取し、それぞれ6月末まで調査を実施した。
 缶付着物は計61検体のうち、局は5検体、市は3検体が環境基準値を上回った。ドラム缶の底面土壌は全29検体全てが基準値を下回ったが、要監視濃度を超過する数値が出た。
 局、市調査の両方のたまり水からは、米軍がベトナム戦時に使用した枯れ葉剤「エージェント・オレンジ」の主要成分「2・4-D」と「2・4・5-T」が検出された。
 だが、局は「(枯れ葉剤の)証拠は見つからない」として「除草剤」と推定するにとどめた。市はPCB(ポリ塩化ビフェニール)やPCP(ペンタクロロフェノール)を含む「複合汚染と考える」と評価したが、枯れ葉剤の可能性については言及を避けた。
 局、市は調査結果から、周辺環境や地下水への影響はないと説明した。
英文へ→Dioxins detected in all analyses of barrels found in Okinawa City