辺野古にジュゴン食跡110本 自然保護協会が確認


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発見されたジュゴンの食跡

 【東京】日本自然保護協会(亀山章理事長)は9日、環境省で記者会見を開き、名護市辺野古の米軍普天間飛行場代替施設建設予定地で、ことし5月からの約2カ月間で絶滅危惧種ジュゴンの食跡が合計110本以上確認されたと発表した。

同協会は、埋め立て事業の中止と辺野古大浦湾の保全を求めた。環境影響評価の再実施を国や県に働き掛けていく考え。
 同協会によると、「北限のジュゴン調査チーム・ザン」が5月16日~7月5日までの間、埋め立て予定地周辺で調査を10回実施し、キャンプ・シュワブ沿岸域の美謝川河口付近などで食跡が確認された。ジュゴンは浅瀬の藻場を利用していると考えられていたが、水深19・6メートルの深場にある藻場でも食跡が確認されたという。同協会はシュワブ周辺の海草藻場で「ジュゴンの利用頻度が増加している」と分析している。
 同協会によると、埋め立て区域周辺にある長島では、サンゴ礫(れき)が付着して成長した鍾乳石が国内で初めて確認された。鍾乳石は現在でも形成中とみられ、同協会は「詳しい調査を実施すべきだ」としている。