琉球新報社 台風８号の暴風雨にさらされた県内では９日、農作物の被害が次々と明らかになり、台風の深い爪痕が残った。農作物被害は速報値で約１１億円に上った。サトウキビは暴風で倒れ、葉も剥ぎ取られた状態となった。
旬を迎えたマンゴーは豊見城市で落下被害も出て、収穫期のゴーヤーやキュウリなど夏野菜にも大きな被害をもたらした。宮古島市では依然、マンゴーの積み残しがあり、通常の状態に戻るにはまだ時間がかかる。糸満市では豚舎の屋根が飛ばされるなど畜産業にも被害を与えた。さらに影響は県内の生活物資を運ぶ物流にも波及し、台風で８日は休業した県内スーパーの一部は９日になっても復旧作業に追われた。
被害総額／キビ５億、野菜３．５億
県農林水産部は９日夜、台風８号による農作物の県内被害総額（速報値）が１１億２５２万円に上ると発表した。被害が最も大きかったサトウキビの被害総額は５億１３０４万円で、被害面積は１万１５５７ヘクタールで２万３８０３トンだった。施設、林業、水産業などは現在調査中。
ゴーヤー、キュウリなどの野菜類の被害は３億４５９５万円。キクなど花卉（かき）類が８１５万円だった。マンゴーやバナナなどの果樹類が１億９６９１万円。その他作物は２３７２万円だった。
地区別でみると、宮古地区は、サトウキビの被害が最も大きく２億５０５０万円で総額は２億８４３４万円。南部地区は野菜被害額が最も大きく２億４９５６万円で総額は５億１５７５万円。
