観光兼ね初の県外患者 4月完成の伊江村透析センター


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伊江島旅行を楽しみながら透析を受ける岩城美智子さん(右)と後藤良枝さん姉妹=15日、伊江村立診療所透析センター

 【伊江】ことし4月に完成した伊江村立診療所透析センター(新里智センター長)が15日、県外の透析患者を初めて受け入れた。同センターは本島周辺離島で初めて設置され、これまで透析のたびにフェリーで本島の施設に通っていた患者の負担軽減が図られている。村内の透析患者は19人で、1日おきに施設を利用している。

 静岡県在住の岩城美智子さん(71)と後藤良枝さん(64)の姉妹は、13日から3泊4日の日程で同村を訪れた。
 後藤さんはダイビングの体験をするため、何度も伊江島を訪れている。「伊江島のすてきな海や自然を姉にも見せてあげたい」という希望から、透析患者の岩城さんを連れ、施設を利用した。これまで近場で1泊2日の旅行しかできなかったが、今回は互いの医療機関で患者の情報をやり取りし、今回の旅行が実現した。
 岩城さんは「施設には最新機器が充実し、県外からの初めての患者にもかかわらず医師や看護師がとても親切に対応してくれた。天気にも恵まれ、安心して旅行が楽しめた」と喜んだ。
 後藤さんは「姉を連れてくることができ喜んでいる。村民の温かさに感激し、静岡に戻ってからも多くの患者に島の良さを伝えたい」と笑顔を見せた。
 新里センター長は「村外や県外の透析患者も受け入れられるよう、医療観光を充実させ、村の観光振興につなげたい」と抱負を語った。
 センターは現在、午前中の診療のみだが、今後はニーズに応じて午後や夜間の透析にも対応する予定だ。問い合わせはセンター(電話)0980(49)3113。(金城幸人通信員)