ダバオ戦遺族 節目の年に平和願い きょう第50回追悼式


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那覇空港で結団式を開いた「慰霊と交流の旅」参加者ら=20日、那覇空港国際線旅客ターミナルビル

 第50回ダバオ慰霊と交流の旅(主催・県ダバオ会、共催・県、県遺族連合会)の一行が20日、フィリピンのミンダナオ島ダバオに向けて那覇空港を出発した。集まった遺族ら91人は21日に旧日本人ミンタル墓地の「沖縄の塔」前で開かれる慰霊追悼式に参加する。

県ダバオ会の山入端嘉弘会長は「できる限り現地で供養したいという遺族の思いで、50回目の出発を迎えることができた」と述べた。
 参加者は26日まで6泊7日の日程で、昨年8月に県ダバオ会が建てた日本人慰霊塔など4カ所の慰霊塔を訪れる。そのほか、旧耕作地や遺族が亡くなった避難場所を訪れる。
 現地で生まれ、4歳の時に戦争で妹を亡くした座安正宏さん(72)は「親に連れられて避難した時の怖さを覚えている。親戚のおばさんが日本兵に殺された姿も忘れられない」と話す。参加を決めたきっかけは、基地建設や解釈改憲が進む今の政治状況に危機感を覚えたからという。「平和を願う気持ちを新たにするため、現地で妹を供養する」と力を込めた。
 初めて参加する外間良信さん(65)はダバオで祖父を亡くした。「戦争で生き延びた父から聞いていた現地の風景を確かめたい」と語った。