残留孤児 初の参加 沖縄満州会が総会


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約50人が参加し、親睦を深めた第14回沖縄満州会総会=20日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

 第14回沖縄満州会(名城郁子会長)総会が20日、那覇市内のホテルで開かれた。満州引き揚げ者ら約50人が参加、親睦を深め合った。支援者の仲介で、初めて県出身残留孤児の夫婦3組が出席した。それぞれが満州や引き揚げ後の苦しい暮らしを思い起こし、古里へ帰れなかった人たちに黙とうをささげた。

 1942年、父母と満州に移民した伊波盛吉さん(73)は妻の亜希子さん(68)と初参加した。移民後、父盛重(せいじゅう)さんは南洋へ行き、満州で生まれた弟の弘満さんと盛一さんは食料不足のため幼くして亡くなった。母のヨシさんも45年に病気で亡くなり、孤児になった。中国人家庭を転々とし、19歳で亜希子さんと結婚。4人の子を育て、82年に父の古里の宜野湾市に戻った。盛吉さんは「戦争を生き残った共通の経験を持つ人に会いたかった。今日はうれしい」と話した。
 会員は70代から90代まで約200人。名城会長は「残留孤児の夫婦3組の参加が何よりもうれしい。何か手助けができるよう、願う。設立14年を迎えて皆さんだいぶお年を召されたが、懸命な参加に感謝する」とあいさつした。満州会の問い合わせは名城会長(電話)098(867)3515(尚学院内)まで。