県産キノコ類、台湾輸出38倍増 工場整備で安定生産


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県産キノコの海外輸出量

 県産キノコ類の輸出が好調だ。台湾向け輸出は2010年の輸出開始から約38倍に増加している。那覇空港国際航空貨物ハブ(拠点)事業を活用してタイへの輸出も伸びている。エノキタケやブナシメジなどのキノコ生産工場が整備され、安定した生産体制を確立したことで生産量の大幅増につながっている。

 国と市町村が一帯となって実施する北部振興策を使って今帰仁村で02年にエノキタケ、10年にエリンギの生産工場が整備された。その後、県産キノコ類の生産量は順調に増加し、11年産は過去最高の1289トンに上った。
 県森林管理課の古波蔵みな子普及指導員は「県外から移入されるキノコは、大量生産されているため価格競争では太刀打ちできない」と言う。そこで、国内ではなく海外展開に活路を見いだすことにした。10年からオーダック(金武町)が台湾・タイなどにエノキタケとブナシメジの輸出を開始した。
 輸出開始時に5・2トンだった台湾向け輸出量は、現地での積極的なプロモーション活動や、日本国内企業の参入があまりなかったことが奏功し、13年には約38倍の201・6トンにまで伸びた。
 一方、タイ向け輸出量は、輸出開始から2年目で2倍に伸びたものの、タイ国内での情勢不安から十分なPR活動が実施できなかった。13年の輸出量は17・9トンにまで下落した。オーダック担当者は「情勢が落ち着き次第、タイ国内でのプロモーションを実施していく」と話した。
(上江洲真梨子)