「人間の心変えるのが戦争」 伊是名小で平和集会


社会
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平和集会で戦争体験を語る高江洲春子さん=伊是名小学校体育館

 【伊是名】嘉手納町水釜在住の語り部高江洲春子さん(78)と絵本読み聞かせの菊池一美さん(55)がこのほど、伊是名小学校(座間味靖校長)を訪れ、児童と保護者らに戦争体験を語る平和集会と、絵本読み聞かせを行った。高江洲さんは沖縄戦当時、小学校1年生。着の身着のまま、はだしで家族と共に戦火を逃げ回ったと、体験を話した。

 高江洲さんは「父親が、防衛隊で別れたきり二度と会うことはなかった。父親の遺骨もなく石だけが帰って来たので、平和の礎で見たときに、父は本当に亡くなったんだと確認した」と話し、「人間の心を変えてしまうのが戦争。みんなにこんな悲惨なことに遭ってほしくない。そういう思いで戦争の話をした。足腰が立つ間は、話をしてあげたい」と優しく語り聞かせた。
 読み聞かせの菊池さんは田島征三作「ぼくのこえがきこえますか」などの絵本を大きなスクリーンに映し出して心を込めて読み聞かせした。
 同小4年生の島袋あいさん(9)は「ハル(春子)ばあちゃんの話を聞いて二度と戦争を起こしてはいけないと思いました。ハルばあちゃんのように明るく前向きに頑張りたい」と感謝の言葉を述べた。
 最後に児童会が中心になり全校児童で平和宣言をして平和を守ることを誓った。(東江京子通信員)