「福福波」種牛に 待望の「北福波」初直系


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全国でも高評価の種雄牛「北福波」初の直系後継種雄牛に選抜された「福福波」(県畜産課提供)

 全国的に評価の高い沖縄の種雄牛「北福波」の初の後継種雄牛として「福福波」が4月に選抜され、6月から精液配布が始まっている。2003年に種雄牛に選ばれた北福波の精液配布が14年8月末で終了することから、畜産農家らからは直系の種雄牛の選抜が待たれていた。

北福波に続いて霜降り牛肉を生産する能力が高いと推定されるという。県畜産研究センターは「北福波の能力を受け継ぐ待望の県産種雄牛の誕生だ。市場性の高い肉用子牛や県産ブランド牛肉生産に貢献が期待できる」と話している。
 霜降り度合いを示す脂肪交雑(BMS)は、福福波は歴代選抜牛の平均値よりも高く、去勢が6・2で1位、雌が6・4で2位だった。全国的にも有名になった父牛の北福波の精液はストロー1本5千円で、福福波は1本1500円で配布している。
 福福波は08年4月伊江島生まれ。母方の父は福桜、祖母の父は糸福の血統を持つ。08年10月から種雄牛候補として畜産研究センターで飼養してきた。種雄牛の検定試験で、24頭中約8割が4等級以上の上物で、現場検定牛中トップの上物率だった。この結果を踏まえ14年4月の県肉用牛改良協議会専門委員会は県供用種雄牛に選抜した。
 父牛の北福波は1998年宮古島で生まれ、03年3月に県産種雄牛に選抜された。産肉能力に優れ、北福波の精子から生まれた子牛は、13年度までに市場で取引されたものは3万2千頭で、販売価格は117億円を上回る過去最高の成績を残した。
 しかし老齢のため、ことしで精子配布を終了することになり、畜産農家などは北福波の血を受け継ぐ後継を心待ちにしていた。畜産研究センターも後継種雄牛づくりを進め、今回ようやく3頭目にして初めて直系の種雄牛が選ばれた。
 ほかにも北福波の後継候補がおり、引き続き直系種雄牛誕生に期待がかかる。現在の種雄牛は福福波と北福波を含めて4頭いる。