東が勝利「五風十雨」 米須区民総出、大綱引き


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区民総出で綱を引き合う第69回米須大綱引き=21日、糸満市米須

 【糸満】旧暦6月25日のカシチーに当たる21日、糸満市内の各地で豊作と無病息災を祈願する綱引きが行われた。米須区では全長80メートルの大綱を区民が引き合う村引きで熱気に包まれた。

5分を超える熱戦の末、「五風十雨」をもたらす東(アガリ)の勝利となった。
 第69回を数える米須大綱引きは、午前中の綱編みから区民総出で東と西(イリ)に分かれて競い合う。
 真夏の日差しが和らいできた午後6時すぎ、公民館前には東から「五風十雨」、西から「五穀豊穣」の旗頭が登場。東の金城亜怜(あれん)君(米須小6年)と久保田快次(かいじ)君(三和中2年)、西の山城佑斗君(三和中1年)と赤嶺茜瑠(せんりゅう)君(同)が琉球武士の衣装に身を包み、綱の上に乗る支度(シタク)として紹介された。
 東西から男性陣がそれぞれの綱を担いで歩み寄り、女性陣は太鼓を打ち鳴らし「ヤーサイ」とはやし立てた。雄綱と雌綱を「カヌチ棒」が貫くのと同時に、男たちがあらん限りの力を込めて大綱を引き合った。
 山城茂自治会長は「東が勝っても西が勝っても集落に恵みをもたらす。公休日と重なり例年より人出が多くて良かった」と満足そうに語った。