日台水域で実態調査 県漁連と県、全36漁協を対象


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日台漁業取り決めの適用水域で6分割された操業調査区域

 県漁業協同組合連合会(国吉真孝会長)と県が、日台漁業取り決め(協定)の適用水域での操業実態調査を進めていることが25日、分かった。昨年4月に協定が締結されて以降、適用水域に特化した調査は初めて。

対象は4月以降の操業で、既に「操業している」と回答した漁協もあるが、台湾船とのトラブルを避け「4~6月は操業していない」との回答もあった。調査結果は、来年度以降の操業ルールの交渉に生かす。沖台漁業者の次回会合は9月ごろに開かれる見通しだ。
 調査の協力依頼とアンケート用紙は、6月10日付で県内の全36漁協に送付した。各漁協は4~7月の各月の操業実態を回答する。
 調査は適用水域内を6区域に分けて実施している。質問内容は操業する漁船数、位置、漁獲量、漁法、期間の5項目。さらに口頭で、操業時の周辺海域における台湾船の有無や操業トラブルなども調べる。
 7月25日現在、回答があった7漁協のうち3漁協が適用水域内で操業していた。尖閣諸島の北方や南方、久米島西側の特別協力水域、八重山北方の三角水域など幅広い水域で操業している。漁法はマグロはえ縄や集魚灯など。
 県内漁業関係者らはクロマグロ漁期終了後の8月中旬に、県日台・日中漁業問題対策等漁業者協議会を開き、結果を交渉にどう生かすかを検討する。その後沖台漁業者会合と日台漁業委員会が開かれる見通しだ。
 県漁連は「会合では台湾からも操業実態が提示される見通し。調査結果を県内漁業者の利益につなげたい」と述べた。(長嶺真輝)