元朝鮮人BC級戦犯 李さん捕虜犠牲「日本の責任」


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李鶴来さん

 日本の植民地支配下にあった朝鮮から捕虜監視員として動員され、戦犯として裁かれた李鶴来(イ・ハンネ)さんを招いたシンポジウム「アジア太平洋戦争と元朝鮮人BC級戦犯」(おきなわ日韓「政経・文化」フォーラム主催)が26日、那覇市の沖縄大学で開かれた。

 李さんはタイの泰緬(たいめん)鉄道建設現場で捕虜監視員を務めた経緯を語り「多くの捕虜が犠牲になったのは日本軍の捕虜政策の問題で、私たち軍属傭人(ようにん)の責任でないことは明らかだ」と強調した。日本政府に謝罪と補償を求めた8年間余りの法廷闘争(1999年に敗訴確定)を振り返り「“適切な立法措置”を促す判決から15年間、立法化運動を続けているが未解決だ。残るのは日本政府による私たちへの名誉回復だ」と話した。
 戦後補償ネットワークの有光健世話人代表は「李さんたちを救済する法案は国会で一度は廃案になったが、成立すれば今準備されている沖縄戦の被害者や空襲被害者を救済する法案も成立する可能性が高くなる」と強調した。大阪経済法科大アジア太平洋研究センターの内海愛子所長も登壇した。捕虜の処遇を定めたジュネーブ条約を当時の日本が守らなかったことを指摘し「雨季で病人が続出しても上官から(作業に従事する捕虜を)もっと出せと要求され、矛盾のしわ寄せを受けたのがコリアンの方々だ」と語った。