「世界はこんなに面白い」 興南高大坪さん、キャリア誌発行


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キャリアマガジン「BRIDGE」を発行した興南高3年の大坪聖奈さん(右から2人目)、大坪さんと一緒に活動する同高2年の豊元慶太朗君(同3人目)、同高の門林良和教諭(左端)、大坪さんらからインタビューを受けたリバネス代表取締役CEOの丸幸弘さん

 「一歩踏み出せば世界はこんなにも面白い!」。興南高校3年の大坪聖奈さんがこのほど、自身がインタビューした企業経営者の話などをまとめたキャリアマガジン「BRIDGE」を発行した。中高時代、何のために勉強するのかが分からず、教室を飛び出して興味のある企業を訪ねたり話を聞いたりしたことで、学問の意味や社会の広さに気付いた。そんな自らの経験を、多くの後輩たちに知ってもらいたいと、行動を起こすことの大切さをつづっている。

 「学校の勉強って何のためにするんだろう」。中学生だった大坪さんは家と学校の往復に疑問を持っていた。もともとプランクトンに興味があったため、修学旅行で訪れた東京でバイオベンチャー企業を個人見学し、「学校の外の世界に面白いことがたくさんある」と気付いた。
 高校2年で人材育成事業「Ryukyufrogs」に参加し、米シリコンバレーを訪れた。「私はプランクトンの話を始めると止まらなくなるので、ほとんどの人が困った顔をする。でもシリコンバレーで出会ったクリエイターの人たちは『君の考えはユニークだ』とどんどん話を引き出してくれた」という。
 「世界最先端の技術を生み出している場所では好奇心こそが原動力となり、そこからさまざまなビジネスが生まれていることを肌で感じた」。そこから企業インタビューを始め、ミドリムシ研究所を訪問するなど主体的に行動を起こしていった。
 こうした活動をまとめたキャリアマガジンは2013年度県民提案型グッジョブ推進事業に採択され、7月、県内全ての公立高校1年生に配布された。
 大坪さんは「私の取り組みを伝えることで、後輩たちにも社会の面白さを知ってもらいたい」と話している。