国保赤字是正要求 国保連と市議長会が全会一致で決議


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 69年前の沖縄戦で多数の県民が犠牲になり、全国と比べて65~74歳の前期高齢者の割合が低いことが原因で県内市町村の国保財政が悪化している問題で、県国民健康保険団体連合会(理事長・古謝景春南城市長)と県市議会議長会(会長・安慶田光男那覇市議会議長)は1日、それぞれ総会を開き、国に是正措置を求めていくことを全会一致で決議した。

5日の会議で同問題を議論する県市長会など5団体で8月末に上京し、厚生労働省に要請する予定だ。県も「(制度の)是正は必要だと認識している」として、5団体と一緒に要請することを検討している。
 城間俊安南風原町長は国保連合会の総会で「県内どの市町村も財政健全化に取り組んでいるが大きな赤字が出ている。国会議員と市町村長の懇談の場を設けて認識を統一し、歩調を合わせてやりたい」と話した。
 安慶田議長は取材に対し「沖縄全体の問題として、国に要望するなど真剣に取り組まないといけないと考えている。国も(制度の)問題を理屈的に理解すれば、補填(ほてん)してしかるべきだ」と語った。
 2008年度の医療制度改革で前期高齢者の加入割合によって交付される前期高齢者交付金制度が導入されて以降、前期高齢者の割合が全国最下位の沖縄県内市町村の国保財政が急激に悪化している。12年度時点で県内41市町村のうち39市町村が赤字で、県全体の単年度収支は約98億円の赤字決算となっている。