芥川作品、現代風に OOC「地獄変」 鬼気迫る演技光る


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時折見せる鬼気迫る演技も観客を引き込んだ劇団OOCの「地獄変」=7月19日、那覇市のわが街の小劇場

 劇団O.Z.Eの社会人部門、劇団OOC(ダブルオーシー)の第2回本公演「地獄変」(みっちー脚本、新垣晋也演出)が7月19、20日の両日、那覇市の「わが街の小劇場」であった。芥川龍之介の同名小説を現代風サスペンスコメディーにアレンジした。端々で見せる鬼気迫る演技が物語にめりはりを付けた。

 画家の良秀(うどんちゃん)はある企業の社長(上門みき)から、社内に飾る「地獄のような光景」が描かれた絵を描くよう、依頼を受ける。良秀は「実際に目にしたものしか絵に描けない」との理由で、絵に不足している「燃えさかる馬車の中で、美しい女性が燃えている風景」が見たいと社長に頼む。
 社長は要望に応え、実際に馬車を燃やす。良秀は車内に自分の娘が乗っていることを知り、絶望しながらも絵を完成させる。
 約1時間に濃縮された舞台で、出演は4人ながら一人二役もあるなど工夫が見られた。その他の出演は小浜敬子、みっちー。(大城徹郎)